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GLP-1と筋肉の減少 — 除脂肪量はどれくらい?見分け方は?

GLP-1で減った体重のうち、除脂肪量はどれくらいなのか。臨床試験の体組成スキャンが示したこと、とくに気をつけたい人、自宅で記録したいサインを解説します。

執筆 Holt Editorial Team

覚えておきたいこと

  • 除脂肪量には筋肉、水分、臓器、そのほかの組織が含まれるので、「除脂肪量の減少」は筋肉の減少を大きく見せてしまいます。
  • STEP 1では、DXAスキャンで測定した平均13.6kgの体重減少のうち、5.3kgが除脂肪量でした。
  • 勧告で引用されているモデル研究では、筋肉の減少が占める割合は、女性より男性で大きい可能性が示されています。
  • 時間を計って椅子から立ち上がるような簡単なテストで、体重計ではわからない身体機能の変化がわかります。
  • 勧告が勧める2つの手段は、たんぱく質とレジスタンストレーニングです。

体重が減って、ジーンズのはき心地も変わってきました。そこへ友人が、半分冗談で聞いてきます。「それって、筋肉も減ってるんじゃない?」 もっともな疑問で、SNSでもさんざん話題になっています。手短に答えるなら、はい、その一部は筋肉です。もっと役に立つ答えは、どれくらいなのか、どうすればわかるのか、そして何ができるのか、です。

GLP-1による体重減少のうち、除脂肪量はどれくらい?

いちばんはっきりした数字は、臨床試験の体組成スキャンから得られています。セマグルチド2.4mgの大規模試験であるSTEP 1では、一部の参加者がDXAスキャンを受けました。脂肪と除脂肪組織を分けて測るX線の方法です。米国の肥満と栄養に関する4つの学会による2025年の共同勧告が、その結果をまとめています。

STEP 1の体組成スキャンを受けたグループ平均
減った体重の合計13.6kg
減った脂肪量8.3kg(62%)
減った除脂肪量5.3kg(38%)

チルゼパチドの主要な肥満の臨床試験であるSURMOUNT-1でも、一部の参加者にDXAスキャンを行い、脂肪量と除脂肪量の両方の減少を報告しています。試験をまたいだパターンは似ていて、減った分のほとんどは脂肪ですが、無視できない割合が除脂肪量です。

除脂肪量と筋肉は同じもの?

いいえ。ネット上の心配の多くが、データより先走ってしまうのはここです。除脂肪量とは、脂肪以外のすべてのことです。筋肉だけでなく、水分、臓器、骨、結合組織も含まれます。体が小さくなれば、その一部が減るのは想定されることです。

勧告の著者たちは、STEP 1で筋肉そのものが占めたのは、減った体重全体のおよそ20%と推定しています。また、計画的な筋力トレーニングをしない場合、筋肉の減少は減った体重のうち女性で約10〜15%、男性で20〜25%になるかもしれない、というモデル研究も引用しています。これらは推定値であって、特定の誰かを測ったものではありません。

とくに気をつけたほうがいいのはどんな人?

勧告では、GLP-1による治療を受けているすべての人にとって筋肉を優先事項としていますが、より注意が必要な状況もあります。

  • 高齢の方。 年齢とともに、もともと筋肉が減っていきます。
  • 男性。 上で紹介したモデル研究にもとづきます。
  • 体重が速く、または大きく減っている方。 減る量が大きいほど、除脂肪量の減少も絶対量で大きくなります。また勧告では、急激で大幅な体重減少を骨量の減少と結びつけています。
  • 食べる量がとても少ない方。 減量中にたんぱく質の摂取量が少ないと、除脂肪量の減少が多くなることがわかっています。
  • 今あまり体を動かしていない方。

どれも、治療を避ける理由にはなりません。早めに処方医と話し合う理由です。

筋肉が減っているかどうか、どうすればわかる?

体重計ではわかりません。数字が減っていく様子は、それが脂肪でも水分でも筋肉でも同じに見えます。勧告では、もっと詳しく見るためのいくつかの方法を挙げています。

  • 体組成スキャン。 DXAはゴールドスタンダードとされ、1〜2年ごとに検討してもよいとされています。生体電気インピーダンス法(多くのスマート体重計や一部の医療機関の機器に使われている技術)は、くり返し確認するにはより実用的ですが、測定値は体内の水分量で変わります。
  • 身体機能のテスト。 勧告では、椅子からの立ち上がり、階段の昇り、Timed Up and Goテストを挙げています。これらは自宅でもくり返せるほど簡単です。30秒間で、椅子から何回立ち上がれるでしょうか。

勧告では、大切な限界にもふれています。こうしたツールが測るのは筋肉の量であって、筋肉の健康状態や質、機能ではありません。体重が軽くなりながら力が強くなっているなら、スキャンの結果がどうであれ、それは良いサインです。

ガイダンスは何を勧めている?

2つのことを、組み合わせて行います。たんぱく質について、勧告では、積極的に減量しているあいだは体重1kgあたり1日1.2〜1.6gという多めの摂取量が提案されているとし、より簡単な目安として1日80〜120gを挙げています。これらは医師と話し合うための数字で、とくに腎臓病がある場合はなおさらです。私たちの無料のたんぱく質計算ツールで、出発点となる範囲がわかります。

運動については、少なくとも週3回の筋力トレーニングと、少なくとも150分の中程度の有酸素運動を勧めています。始め方はGLP-1を使いながらの筋力トレーニングで取り上げています。

私たちが記録すること

  1. 毎日のたんぱく質。 勧告では、たんぱく質が少ないと除脂肪量の減少が多くなるとしています。毎日の数字を目標と並べて見れば、いつも足りていないかどうかがわかります。
  2. 筋力トレーニングと活動量。 ワークアウトと歩数を記録して、週3回の筋力トレーニングが実際にできているかを確認します。
  3. 月1回の身体機能のテスト。 30秒間の椅子からの立ち上がり回数や、止まらずに昇れる階段の数。
  4. 毎日の体重ではなく、体重の推移。 安定した推移と、安定しているか向上している筋力。目指したいのはこの組み合わせです。
  5. 体組成の測定結果があれば。 日付と方法をメモして、同じ方法どうしで比べましょう。

Holtのホームのサマリーでは、カロリー、水分、食物繊維と並んで、たんぱく質と活動量が1日の目標と比べて表示されます。ワークアウト、歩数、体重はApple Healthから同期され、経過画面では週の平均と推移を確認できます。受診用レポートが、それを診察のためにまとめてくれます。

Holtでたんぱく質と活動量をいつも見えるように

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実際のアプリの画面です。記録して、振り返って、共有する場所をそのままお見せします。

  • Apple Healthと連携します
    Apple Healthと連携します

よくある質問

GLP-1による筋肉の減少は、ほかの方法での減量より多いのですか?

ほとんどの種類の減量で、除脂肪量がある程度減るのは想定されることです。GLP-1では大きく体重が減ることがあるため、勧告では、最初から十分なたんぱく質と筋力トレーニングで備えておくよう勧めています。

DXAスキャンを受けたほうがいいですか?

2025年の勧告ではDXAをゴールドスタンダードとし、1〜2年ごとに検討してもよいとしています。くり返し確認するには、生体電気インピーダンス法のほうが実用的な選択肢です。あなたにとって受ける価値があるかどうかは、医師にご相談ください。

スマート体重計で筋肉を正確に測れますか?

家庭用の体重計は生体電気インピーダンス法の一種を使っており、その推定値は体内の水分量によって変わることがあります。1回ごとの数値より、数週間にわたる傾向を見るのに向いています。勧告では、こうしたツールは筋肉の量を測るもので、その質や機能は測れないと述べています。

たんぱく質を多くとれば、筋肉の減少は止まりますか?

たんぱく質は役に立ちますが、勧告がレジスタンストレーニングと組み合わせているのには理由があります。筋肉には、材料と、それを保つ理由の両方が必要です。あなたの健康状態に合ったたんぱく質の目標は、医師や管理栄養士にお尋ねください。

参考文献

  1. Nutritional priorities to support GLP-1 therapy for obesity: a joint Advisory from the American College of Lifestyle Medicine, the American Society for Nutrition, the Obesity Medicine Association, and The Obesity Society — Obesity (Silver Spring), 2025
  2. Once-weekly semaglutide in adults with overweight or obesity (STEP 1; Wilding et al.) — New England Journal of Medicine, 2021
  3. Tirzepatide once weekly for the treatment of obesity (SURMOUNT-1; Jastreboff et al.) — New England Journal of Medicine, 2022