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GLP-1と更年期|体重・筋肉・骨についてわかっていること

GLP-1は更年期の治療薬ではありませんが、中年期に使い始める人は多くいます。体重、筋肉、骨、ホルモン療法について、添付文書と研究からわかっていることをまとめました。

執筆 Holt Editorial Team

覚えておきたいこと

  • GLP-1は更年期症状を治療しません。症状については別に医師に相談しましょう。
  • GLP-1による体重減少には除脂肪量も一部含まれ、年齢とともに筋肉や骨が自然に減っていく時期には、そのことがより大きな意味を持ちます。
  • 2025年の共同勧告では、GLP-1治療とあわせて週3回以上の筋力トレーニングを勧めています。
  • ホルモン療法と体重減少の増加を結びつける研究は、小規模な観察研究です。

52歳、よく眠れない日が続き、春にはちょうどよかったウエストがきつくなっている。医師からGLP-1の話が出て、一度に2つの疑問が浮かびます。これは体重に効くのか。そして、更年期がもたらしているほかの変化にも何か効果があるのか。答えはそれぞれ違うので、分けて考えるとわかりやすくなります。

GLP-1は更年期を治療する?

いいえ。GLP-1の薬は、薬によって長期的な体重管理や2型糖尿病などの用途で承認されています。更年期とその症状(ほてり、寝汗、睡眠の変化、腟の乾燥)はそこに含まれておらず、GLP-1がそれらの症状をやわらげるというしっかりした試験のエビデンスも見つかりませんでした。

とはいえ、タイミングが偶然というわけではありません。中年期には多くの人の体重や体型が変わり、GLP-1の話が出てくるのもその頃であることが多いからです。ただ、更年期のことはそれとは別に、医師と話し合う必要があるということです。

この時期に筋肉がより大切なのはなぜ?

減る体重は脂肪だけではないからです。米国の肥満・栄養に関する4つの学会による2025年の共同勧告では、セマグルチドのSTEP 1試験の体組成の結果を紹介しています。減った体重のうち、約62%が脂肪、38%が除脂肪量でした。著者らは、筋肉そのものは減った体重全体の約5分の1を占めると推定しています。

筋肉はもともと年齢とともに減っていく傾向があるので、治療中に一部が減ることを見越して計画しておく価値があります。勧告の答えは実践的です。十分なたんぱく質と、定期的な筋力トレーニングです。

では、骨は?

勧告では、急激で大幅な体重減少は骨量の減少と関連していると述べています。また、あるランダム化試験では、GLP-1を使いながら運動した人は1年間骨密度を保てた一方、薬だけの人では骨密度が一部減ったことにも触れています。

閉経後は骨の健康が気になる人が多いので、治療の前や治療中に骨密度検査やほかの対策が必要かどうか、医師に聞いてみるのは理にかなっています。

筋力トレーニングはどのくらい必要?

勧告では、GLP-1を処方する際に、計画的な運動プランをあわせて示すよう勧めています。週3回以上の筋力トレーニングと、早歩きのような中程度の有酸素運動を週150分以上です。除脂肪量を保つうえでは、有酸素運動だけよりもレジスタンストレーニングのほうが裏づけが確かであること、そしてプランは今の体力に合わせるべきことも述べています。

始めるのにジムの会員になる必要はありません。自重トレーニング、トレーニングチューブ、自宅のダンベル1組でも十分です。関節に不安がある場合や筋トレの経験がない場合は、理学療法士やトレーナーの力を借りるとよいでしょう。

ホルモン療法でGLP-1の効き方は変わる?

はっきりしたことはわかっていません。学術誌Menopauseに掲載された2024年の研究では、セマグルチドを使っている閉経後の女性106人の記録を振り返って調べ、ホルモン療法もあわせて受けていた少人数のグループのほうが、平均してより多く体重が減っていたことがわかりました。著者らは、確認にはより大規模な研究が必要だとしています。

こうした研究では、ホルモン療法がその差の原因だったとは示せません。ホルモン療法を受けていた女性は、ほかの点でも違っていたかもしれないからです。ホルモン療法にはそれ自体の利点とリスクがあり、体重のために始めるものではありません。あなたに合っているかどうかは、別の問題として医師に相談してください。

私たちなら、これを記録します

  1. 筋トレの日とあわせた体重の推移。 体重の動きがゆっくりな週でも、しっかり運動した日が3回あるなら、運動しなかった週とは意味が違います。
  2. 食事ごとのたんぱく質。 勧告では医師と相談するための目安の範囲が示されています。写真で記録すれば、いちいち量らなくても目安にどれだけ近いかがわかります。
  3. 投与と副作用。 吐き気やだるさが注射の日とどう重なるかがわかれば、処方医が増量の各段階を判断しやすくなります。
  4. 更年期症状は別に。 ほてり、睡眠、気分。目に見えるようにしておくと、何が薬によるもので何がそうでないか、あなたと医師が見分けやすくなります。

Holtは体重の推移、たんぱく質の推定つきの食事、投与、副作用をまとめて記録し、Apple Healthとも同期します。受診用レポートなら、それを1ページにまとめて受診に持っていけます。

Holtで体重、たんぱく質、投与を記録する

症状のメモも一緒に持っていきましょう。薬のことと更年期のことを並べて見られれば、医師はその両方についてより的確に手助けできます。

Holtの画面を見てみましょう

実際のアプリの画面です。記録して、振り返って、共有する場所をそのままお見せします。

  • 体重の推移
    体重の推移

よくある質問

GLP-1はほてりや寝汗に効きますか?

添付文書には、これらの薬が治療する対象として更年期症状は載っておらず、効果を示すしっかりした試験のエビデンスも見つかりませんでした。それらの症状のための治療について、医師に相談してください。

GLP-1とホルモン療法を同時に使ってもいいですか?

これは、あなたの病歴をすべて知っている処方医に聞くべき質問です。両方を使っている人を調べた観察研究もありますが、その組み合わせがあなたに合っているかどうかはわかりません。

GLP-1で骨が減りますか?

2025年の共同勧告では、急激で大幅な体重減少は骨量の減少と関連していること、そしてある試験ではGLP-1治療とあわせて運動することで骨密度が保たれたことが述べられています。骨の健康チェックが必要かどうか、医師に相談してください。

閉経後は、GLP-1を使っても体重が減りにくいですか?

どちらとも言える強いエビデンスは見つかりませんでした。あなたの状況で何が期待できるかは、処方医が教えてくれます。

参考文献

  1. Nutritional priorities to support GLP-1 therapy for obesity: a joint Advisory from the American College of Lifestyle Medicine, the American Society for Nutrition, the Obesity Medicine Association, and The Obesity Society — Obesity (Silver Spring), 2025
  2. Weight loss response to semaglutide in postmenopausal women with and without hormone therapy use (Hurtado et al.) — Menopause, 2024
  3. WEGOVY (semaglutide) prescribing information — DailyMed, U.S. National Library of Medicine
  4. ZEPBOUND (tirzepatide) prescribing information — DailyMed, U.S. National Library of Medicine